「葬送のフリーレンって何が面白いの?」と聞かれて即答できなかったので、改めて考えてみた。

このブログは広告を含んでいます

先日、知人からふと「『葬送のフリーレン』って流行ってるけど、結局何が面白いの?」と聞かれました。

僕はアニメも原作も大好きで、何度も見返しているファンです。当然、すぐにその魅力を熱弁できるはずでした。しかし、その時僕の口から出たのは「あー……すごい、いいよ……」という、なんとも語彙力のない言葉だけ。

なぜ即答できなかったのか。家に帰ってコーヒーを飲みながら冷静に考えてみたんです。

結論から言うと、「僕にとってフリーレンの世界が面白すぎて(当たり前すぎて)、面白さを言語化する回路がショートしていたから」でした。

今回は、なぜこの作品がこれほどまでに心を掴んで離さないのか、そして「何が面白いのかわからない」と感じる人に対してどう向き合うべきか、僕なりの視点で言語化してみたいと思います。

目次

「何が面白い?」即答できないほどの自然な没入感

画像引用元:『葬送のフリーレン』アニメ公式サイト

派手なバトルアクション作品や、先の読めないサスペンス作品なら、「戦闘シーンの迫力がすごい!」「どんでん返しがヤバい!」と一言で言えます。これらは脳に直接「快楽(ドーパミン)」を与えてくれる面白さだからです。

しかし、『葬送のフリーレン』の面白さは少し種類が違います。それは、じわじわと心に染み渡るような「浸透圧」の高い面白さです。

主人公フリーレンの旅は、淡々としています。しかし、その淡々とした日常の積み重ねがあまりにも丁寧に描かれているため、見ている僕たちもいつの間にか「フリーレンたちの旅の仲間」として、その世界に住んでしまっているような感覚に陥ります。

「空気が美味しいことが面白い理由を説明して」と言われても困るのと同じで、フリーレンの物語は、あまりにも自然に僕の中に入り込みすぎていたのです。

最大の魅力は「時間のズレ」が生む、切なさと温かさ

画像引用元:『葬送のフリーレン』アニメ公式サイト

改めてこの作品の核となる「面白さ」を因数分解すると、やはり「種族による時間感覚の齟齬(そご)」に行き着きます。

1000年生きるエルフと、一瞬を生きる人間

フリーレンにとっての10年は、人間にとっての数分のような感覚かもしれません。かつての仲間、勇者ヒンメルたちとの冒険は、彼女にとっては「たった10年の短い旅」でした。しかし、ヒンメルたち人間にとっては「一生をかけた大冒険」です。

この決定的な感覚のズレが、物語の至る所に残酷なまでの「すれ違い」を生みます。

相手を大切に思っているのに、時間の感じ方が違うから理解しきれない。
理解できた頃には、もう相手はこの世にいない。

この「間に合わなさ」は、本来なら悲劇でしかありません。しかし、この作品が素晴らしいのは、すれ違っているのにお互いを思い合っている姿を丁寧に描いている点です。

「分かり合えないけれど、歩み寄ることはできる」
「もう会えないけれど、思いは残っている」

この切なさと温かさが同居する独特の感情体験こそが、他のファンタジー作品にはない『葬送のフリーレン』だけの面白さだと僕は思います。

映画レベルの作画と、魂を吹き込む声優の演技

画像引用元:『葬送のフリーレン』アニメ公式サイト

論理的な構成だけでなく、アニメーションとしての「出力のクオリティ」が異常に高いことも無視できません。

「静」を魅せる映画級の作画

このアニメは、派手な魔法のエフェクトだけでなく、「キャラクターの細やかな所作」や「背景の空気感」に凄まじいリソースが割かれています。服のなびき方、視線の動き、朝日の眩しさ。セリフのないシーンでさえ、画面が雄弁に物語を語っています。これはもはや、毎週放送されるテレビアニメのクオリティではなく、短編映画の連続と言っても過言ではありません。

キャラクターに命を宿す声優陣

特にフリーレン役の種﨑敦美さんの演技は圧巻です。1000年以上生きている達観した雰囲気と、どこか子供っぽい純粋さ。感情が希薄なようでいて、実は深い愛情を秘めている。そんな複雑なニュアンスを、抑揚を抑えた声色の中に完璧に落とし込んでいます。

この「作画」と「演技」の力があるからこそ、視聴者は静かな会話劇の中にあるドラマチックな感情を読み取ることができるのです。

結論:頭で考えずに、ただ感じればいい

画像引用元:『葬送のフリーレン』アニメ公式サイト

もしあなたがこれから『葬送のフリーレン』を見ようか迷っている、あるいは少し見てみたけど「何が面白いのかわからない」と感じているなら、僕から伝えたいことは一つです。

「何が面白いか」なんて、頭で探さなくていい。

この作品は、謎解きや興奮を求めるものではありません。焚き火を眺めるような、あるいは静かな森の中を散歩するような気持ちで、ただ画面を眺めてみてください。

もしそこで、胸がギュッとなるような切なさや、じんわり温かいものを感じたら、それはあなたにとって最高の作品になるはずです。

逆に、もし「何も感じない」「退屈だ」と思ったとしても、それはそれでいいのです。今はまだ、その「時間の感覚」や「別れの重み」が、あなたの現在のモードと波長が合っていないだけかもしれません。

無理に面白がる必要はありません。でも、もしふと心が疲れた時や、誰かを懐かしく思った時に見返せば、以前とは全く違う景色が見えてくる。『葬送のフリーレン』は、そんな風にいつまでも視聴者を待っていてくれる、懐の深い作品なのだと思います。

次のアクション

まだアニメを見ていない方は、ぜひ第1話「冒険の終わり」だけでも見てみてください。そこで描かれる「50年後の再会」と「涙」の意味に触れた時、あなたのファンタジーに対する価値観が変わるかもしれません。

アニメ『葬送のフリーレン』
カテゴリーファンタジー・ハートフル
TV放送時期1期2023年秋アニメ
2期2026年冬アニメ
制作会社マッドハウス
監督1期:斎藤圭一郎
2期:北川朋哉
原作山田鐘人・アベツカサ

関連レビュー記事や解説記事はこちらから↓↓↓

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

コメントは日本語で入力してください。(スパム対策)

CAPTCHA

目次